1型糖尿病では、生活習慣病によるところが多い2型糖尿病とは異なり、 体内のインスリンが不足しているため、外からのインスリン補充が絶対必要です。
インスリンは内服薬がなく、注射薬しかありません。そこで、体の中の生理的な インスリン分泌になるべく似るように、自己注射をします。注射は、ペン型注射器を使用して一日に4〜5回皮下注射を行う方法(頻回注射法)と、持続注入ポンプによるインスリン持続皮下注射の方法があります。
インスリン製剤は、長時間効いてインスリン基礎分泌分をカバーする「持効型」の製剤、 それより作用時間の短い製剤の「中間型」「速効型」「超速効型」「ウルトラ超速効型」があります。 頻回注射法では、持効型で基礎分泌分、超速効型で追加分泌分の組み合わせで治療をすることがほとんどです。 持続皮下注射法では超速効型製剤を使用しています。
インスリン注射がどちらの方法でも、血糖の測定が必要です。血糖自己測定の方法は、一回毎に血液を少量取って 測定する方法と、皮下に装置を留置して持続測定する方法があります。持続測定の方法は現在のところ2種類(リブレ、 デキスコム)ありますが、どちらも皮下組織中の糖分を測定して血糖値に換算しています。血糖測定そのものでは無い ことを理解しておく必要があります。
1型糖尿病の治療は、インスリン注射が基本ですが、食事療法、運動療法を加えた3つが柱となります。食事と運動は、 特に制限したり無理に行ったりしなくても大丈夫です。インスリン治療をきちんと行い、健康的な生活を送ること、 すなわち成長に必要な適度な栄養を摂取しつつ、適度な運動を行うことで、長期にわたり血糖を良好にコントロ-ルし ていくことが大切です。そうすることで、糖尿病の合併症も防ぐことができます。